消費税UPで税収減の可能性 [ニュ-ス]

すったもんだの挙句、消費税率の引き上げがついに決まった。14年4月に8%、15年10月には10%になる。政府の試算によると、消費税5%の引き上げで13.5兆円の税収増となり、財政赤字の解消や社会保障の維持・充実にあてられるという。

しかし、政府の説明とは逆に「消費増税で税収が減少する」という意見もある。消費増税で考えられるリスクについて、T&Dアセットマネジメント・チーフエコノミストの神谷尚志さんに聞いてみた。

「社会保険料の国民負担も増加していくなか、今回の消費増税が行われると、16年の国民の可処分所得は11年と比べて5%程度減少すると見込まれます。これにより消費がさらに冷え込み、企業利益が縮小して賃金も低下、法人税・所得税ともに減少する…というシナリオは、十分に考えられます。さすがに“増税前より税収が減る”ということはないでしょうが、少なくとも財政赤字の拡大に歯止めをかけるほどの効果が出るとは考えづらい現状です」

消費増税が景気悪化を招き、結果的に政府が期待するほど税収増になるかわからないと神谷さん。景気悪化→企業業績・給料悪化→税収減→僕らの負担増→さらなる景気悪化、という負のスパイラルに陥るおそれもあるわけだ。

「今回の増税議論が難解なのは、政府からの情報提供が乏しいからです。例えば、本来なら当然考えておくべき“消費増税で財政収支や経済成長率はどうなるか”という予測表すら満足に出されていない。これでは増税の是非について判断のしようがありません」
政府は、消費増税で安定財源が生まれれば将来への不安が緩和されて消費にもつながるというが、果たして本当にそうなるのか? 増税法案が可決されるや、新たな公共事業に回そうという声も出てきた。“無駄遣い”はせず、せめて本来の目的通りに使ってもらいたいところだが…。
(中野鉄兵)
(R25編集部)

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※コラムの内容は、フリーマガジンR25およびweb R25から一部抜粋したものです





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